以下、ABTCのメリットやデメリット、使ってみての自分の感想を書いてみました。
ABTCのメリット:
5年間は、事前承認を受けた対象国・地域でビザ不要
事前申請を行い、承認を受けた国・地域(ABTCの裏面に記載のある国・地域)への短期商用目的での入国であれば、ビザなしで入国審査を受けらます(即ち、通常であればビザの取得が必要な国でもビザなしで入国できる)。
これは、ビザが必要な国への短期出張、特に急な出張が決まった場合には、重宝します。
朝、出張が決まっても、飛行機さえ確保できれば、ビザを気にせずに、その日の午後には、移動が可能となります。ビジネス・チャンスにタイムリーに対応することが可能となります。
ただし、パスポートの残余期間が3年の時に、ABTCを申請しても、3年後にパスポートを更新したら、ABTCには最初のパスポート番号が記載されているので、ABTCも新しいパスポートで改めて申請・取得しなければなりません。ですので、ABTCの申請は、パスポートの残余期間が5年以上ある場合、もしくは、パスポートの更新、新規作成の直後のタイミングでのABTC申請が効率的かつ無駄がありません。
ABTC専用レーンで入出国審査が受けられる。
ABTC対象の国・地域の主要な空港では、ABTC専用のイミグレーションのレーンがあることが多いです。 国・地域や空港にやって状況が異なりますが、外交官(diplomat)や、航空機乗務員(crew)のレーンをABTC用に併用している場合もあります。そのため、一般のイミグレのレーンよりは、早く通過できる場合が多いです(たまに例外がありますが。。。)。
基本的に、入国審査における専用レーンや優先レーンの活用が殆どですが、国によっては出国審査や出国審査の前もしくは後のセキュリティ・チェックで、ABTC専用レーンがあるか、diplomat/ crewと同じレーンを利用できる空港もあります
ただし、中国、台湾、シンガポールでは、ATBCを保有していても、カード裏面で当該国が事前承認されていなければ、ABTC専用レーンを活用できないとのことです(もっとも、これは、特段の理由がなければ、申請可能な国・地域全て(19)を申請して、承認を受ければ、関係のない話とはなりますが。)
ABTCのデメリット:
特にデメリットはないとは思うのですが、強いてあげれば、以下でしょうか。
申請から取得までに3~6ヵ月の時間を要する。
申請した各国に個別に照会した上で、承認を取るので、取得までに時間がかかります。来週や1か月後の出張に使いたいと思っても、そんな短期間では、取得できませんので、前もって準備する必要があります。
事前承認が下りない国・地域が出てくる可能性がある。
ABTC申請をしても、事前承認が下りない国・地域があるようです。
自分の身近なところでは、ABTCを申請して、事前承認が下りなかった人は、これまでいないので、極めて稀なケースかとは思います。 事前承認が下りなかった国・地域の場合は、ABTCを使わずに、通常の方法で入国するしかないのでしょうが、単になにかしらの理由で、ABTC承認要件を満たしていないだけなのか、その他の理由で、ブラックリストに載り、当該国・地域そのものへの入国が当局から認められていないのかで、対応も変わってくるでしょう。もし、承認が下りなかった経験がある方や、事例を知っている方がいらっしゃれば、情報をシェアいただけると助かります。
自分の場合
これまで、数か月単位で海外出張することが多かったこともあり、滞在期間としても、国ごとのビザを取り、ABTCを申請したことありませんでした。ASEAN諸国で短期の出張が増えそうだったので、パスポートの更新を機に、昨年、初めてABTCを申請し、取得しました。
使ってみての感想は、「便利」の一言です。
インドネシアへの急な出張も、meeting visa等を取らずに、オン・アライバル・ビザでも並ばずに、入国審査をスムーズに抜けられました。
他の国でも、イミグレ全般が混んでいれば、専用レーンに並べば、一般レーンより早く入国できることが多いです。一度だけ、シンガポールに平日の正午前の便で着いたら、到着便が少なかったのか、ABTC専用レーンは10人位並んでいて、一般レーンがガラガラという状況がありました。この時は、シンガポールで短期の滞在ならビザが不要なため、ABTCをイミグレに見せずに、一般レーンを通って、入国しました。
まとめ
ABTCの特徴は、以下のとおりになります。
- ABTC取得後、最大5年間は、事前承認を受けた対象国・地域でビザ不要で入国できる
- ABTC専用レーンで入出国審査が受けられる。
- 申請から取得までに3~6ヵ月の時間を要する
取得までに少し時間がかかりますが、ビジネスで対象となる国・地域に出張する機会が多い人にとっては、便利なツールがABTCです。
次回は、ATBCの申請要件、申請方法や、滞在できる期間等や留意事項について書いてみますね。
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