はじめに
海外旅行や仕事でも長期のビジネス出張であれば、予め、日程を決めて、事前に準備をしてから、現地に行くことが、通常かと思います。 ただ、急な出張なのに、査証(ビザ)の取得が必要な国だったりすると、すぐに旅立てないという時もありますよね。
また、短期で近隣の複数の国を回る時に、それぞれの国のビザの準備をしたりで、時間がかかったりで、大変ですよね。
このような時に、アジア・太平洋地域へのビジネス出張に便利なのが、APEC ビジネス・トラベル・カードだと思います。
知っている人や既に使っている人には、当たり前の話ばかりですが、まずABTCの概要を以下、まとめてみました。
ABTCとは?
APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)は,APEC(エーペック(Asia Pacific Economic Cooperation):アジア太平洋経済協力)域内を頻繁に出張するビジネス関係者の移動を円滑にするために,制度参加国・地域の政府(日本の場合は、外務省が担当)が自国のビジネス関係者に発行するIDカードのことです。
APEC対象国で、ABTC制度に参加している他の国・地域の政府の事前審査による了解を得ておくことで,その国・地域への入国・入域に際してビザ(査証)が免除されるか、もしくはビザ手続が免除されます。
APECとは?
名称から判るとおり、アジア太平洋地域の国と地域が参加する経済協力の枠組みです。
現在、21の国と地域が参加しており、台湾のように、国として一部の国から認知されていない、もしくは、香港のように、国の一地域が参加している場合もあるので国・地域を“エコノミー”という名称で呼んでいます。1989年に参加エコノミーの閣僚会議として開催され、1993年からは、首脳会議も開催されています。
APECは、「アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄に向けて、貿易・投資の自由化と円滑化を通じた、地域経済統合の推進、質の高い成長の実現、経済・技術協力等の活動」を実施しています。その一環で、ABTC制度が構築されたようです。
また、特徴的な点としては、条約等に基づいて設立された組織ではない、国間経済協力を進めるための非公式なフォーラムということが挙げられます。
ABTCで入国できる国
APECに参加している21の国・地域のうち、ABTCカードに参加しているのは19の国・地域です(2019年3月時点)。対象国は、以下になります。
オーストラリア,ブルネイ,チリ,中国,中国香港,インドネシア,日本,韓国,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,パプアニューギニア,ペルー,フィリピン,ロシア,シンガポール,チャイニーズ・タイペイ,タイ及びベトナム。
APEC参加の残りの2か国である、アメリカとカナダも、ATBCへの暫定的な参加を表明していますが、他国からの事前審査の申請,承認を受付けていないので、ビザやビザ手続きが免除されるという状況になっていません。ただしアメリカ、カナダの主要空港にも、ATBC専用レーンが設置されているので、ATBC保持者は出入国時、専用レーンは利用できるとのことです(自分は、ATCB取得してからアメリカ、カナダに入国したことがないので、実態は判りませんが)。
まとめ
ABTCの概要をまとめると以下のとおりです:
- ABTCは、APEC参加国・地域内を出張するビジネス関係者の移動を円滑にするための制度かつ、政府が自国の対象者に発行するIDカード
- ABTC制度を取り入れている国・地域は、19
- ABTC制度に参加している他の国・地域の政府の事前審査による了解を得ておくことで,その国・地域への入国・入域に際してビザ(査証)が免除されるか、もしくはビザ手続が免除される
次回は、ABTCのメリット・デメリット、使ってみての自分自身の感想を書きますね。
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