はじめに
ヒヤヒヤしたり、離着陸するのに危険な空港として、以下の空港が有名ですよね(もちろん、他にもありますが)。
① 飛行機が頭上、擦れ擦れに飛ぶ空港(ビーチの上を大型旅客機が飛ぶ写真が有名なカリブ海のオランダ自治領シント・マールテンのプリンセス・ジュリアナ国際空港)
② 高度2,900mにあり、滑走路が460mしかない空港(ネパールのテンジン・ヒラリー空港)
これらの空港、ネットで写真を見たことはあるのですが、残念ながら、まだ実物を目にする機会がありません。
自分が実際に見た空港の中でヒヤヒヤした空港は、インドのヒマーチャル・プラディシュ州のシムラ空港です。
ヒマーチャル・プラディシュ州とは
ヒマーチャル・プラディシュ州は、ヒマラヤ山脈の西端にあり、州の大半が山岳地帯で、造山運動に高い山々、ヒマラヤスギを中心とした森林地帯、cold desertと呼ばれる荒涼とした草原等が広がる自然豊かな州です。スキー場もあり、雪遊びや、ラフティングもできるので、観光やエコツーリズムが盛んです。後、リンゴの産地としても有名ですかね。
州内の風景 ©TGIF
ヒマーチャル・プラディシュ州の州都がシムラで、インドの首都デリーからは300km位、北に位置し、イギリス植民地時代から避暑地として栄え、冬は雪景色に覆われます。
山岳地で平坦なところが少ないので、シムラの街は山の斜面に建物が密集しており、州の自然状況とのコトンラストで特徴的な風景だと思います。
シムラの街並み ©TGIF
シムラ空港
デリー方面から、シムラに向かう国道からシムラ空港が見えますが、山を削り、平らにした台地上の地形の上に空港があるので。遠くから見ると、空母のような印象を受けます(下記写真参照: 自分でも写真を撮ったのですが、あまりきれいに撮れていなかったので、空港の外観が分かり易い写真を引用させていただきました)。小さな空港とはいえ、滑走路は、一応、1,230mあるので、実際の空母よりは大きいです。
Source:The Tribune February 26, 2017
シムラ空港は国内線のみですが、以下のような制約から、利便性がイマイチで、移動手段としては、車や鉄道に比べて、あまり使われていません。収益性を維持するのも難しいようで、何度もエアラインが撤退しています。
- 1日1便デリーとの往復便(2020年3月時点では、Air India 傘下のAlliance Air)が就航しているが、天候不良で欠航が多い。
- 標高1,546 mにある山岳空港で、高度の関係と滑走路が1,230mであることから、離着陸できる飛行機に制限がある(Dornier Do 228やATRの42か72で、乗客をどんなに乗せても50~70人位)。
- さらに、離陸時と着陸時では重量制限が異なり、離陸時は、着陸時より乗れる乗客が少なくなる。
仕事でシムラを訪れた事が何度かありましたが、デリーから車で移動するか、山岳地帯に入る手前のハリヤナ州のチャンデガル空港まで飛行機で移動して、そこから車で移動する方が、時間はかかりますが、はるかに利便性が高かったので、結局、デリー・シムラ便のフライトは使いませんでした。
観光の場合、山岳鉄道「トイトレイン(カルーカ シムラ鉄道)を利用してシムラまで行くのが人気みたいですが、車より時間が掛かるので、これも利用したことありません。
後、やはり、空港のローケーションの最初のインパクトが強く、ネパールのテンジン・ヒラリー空港程、高度にある訳でなく、滑走路も3倍近くありますが、山岳空港としては、シムラ空港も、離着理大丈夫かなと、見ていてハラハラするのと、業務用の荷物もそれなりにあり、仕事で行っているときは、無理に使う気が起きなかったです。
まとめ
「世界の危険な空港ランキング」等では、殆ど出てきませんが、自分が実際に見た空港の中では、これまでのところ、一番ハラハラする空港がシムラ空港です。
現在、シムラ空港は、インドの空港公団(Airports Authority of India :AAI)が管理している公共空港ですが、民営化の対象になっているそうです。利用者数を増やして、収益上げるにはどうすると良いのですかね?
- 欠航率を下げる (離着陸に関する計器飛行形式を向上させる?)
- 大型機が利用できるようにする (滑走やエプロンをどうやって延長・拡大するかが鍵)
ハラハラとは別に、空港について、こういうことを考えてみるのも面白いですよね(自分だけ?)^ ^;
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